更年期に不正出血は大丈夫?だらだら長引く原因と40代の生理不順
更年期に起きた不正出血。
これってよくある生理不順?
それとも性行為で傷ついちゃったとか?
いやいや、もしかすると何かの病気だったりして…!
ただでさえ更年期は体調も優れなくて気分が落ち込みやすいのに、不正出血なんて…
なんだか胸がザワザワしますよね。
ここでは更年期の不正出血と生理の違いをお伝えします。
更年期の不正出血と生理の違い
まず、一般的な更年期の生理事情についてお話ししますね。
更年期になると、加齢によって卵巣機能が低下し、女性ホルモンの一種である卵胞ホルモン「エストロゲン」の分泌量が急激に減ります。
このホルモンバランスの変化によって、更年期にありがちな生理不順が起きるのです。
しかし一方で、もう一つの女性ホルモンである黄体ホルモン「プロゲステロン」の動き方も変化します。
ホルモンバランスが変化したことで、プロゲステロンによって形成されていた子宮内膜が少しずつ剥がれてしまい、排出。
これが病的な原因でなくホルモンバランスの乱れに起こる機能性出血、いわゆる不正出血というものです。
つまり、このホルモンバランスの変化が生理不順の原因でもあり、不正出血の原因もあるという事ですね。
そもそも不正出血とは「不正性器出血」の略称で、子宮や膣などから出血する“生理以外の出血”のことを意味しています。
性器から出血していることには変わりないため、不正出血と捉える人もいれば、生理不順と捉える人もいるのです。
更年期、考えられる不正出血の原因
しかし、ホルモンバランス以外の事が原因で不正出血を起こす事もあります。
子宮や膣の炎症・病気
最も懸念されるのが、ホルモンバランスの変化や加齢による免疫力の低下、性行為による子宮や膣の病気です。
不正出血の症状がある病気をまとめました。
・子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口から子宮頸管部にできるもので、性行為によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が、発病の原因といわれています。
初期の自覚症状がほとんどなく、がんが進行するにしたがって、赤茶色のような臭いが強いおりものが出たり、性行為時に出血したりします。
子宮体がん
子宮を覆っている子宮内膜にできるがんです。
50代・60代に多いとされている子宮体がんは、子宮頸がんとは違い、発病初期から不正出血の症状がみられます。
閉経している(1年以上生理がきていない)のにもかかわらず出血があるとなれば、真っ先に子宮体がんを疑いましょう。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管の粘膜が異常を起こし、柔らかく脆いイボのようなものができます。
これがポリープです。
特に40代女性に多く、運動や性行為、排便時にそのポリープを刺激することで出血が起きます。
萎縮性膣炎
女性ホルモンの低下によって膣が小さくなったことによって、性行痛や出血などの症状が現れます。
また、普段から膣が熱を持っていたり、黄色か真紅色のおりものが出たり、外陰部にかゆみがある場合には、萎縮性膣炎の可能性が高いでしょう。
細菌性腟症
ホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下、膣の洗いすぎなどが原因で、膣内で細菌が繁殖し、炎症を起こしてしまったものです。
出血以外にも、下腹部が痛んだり、さらっとした灰色のおりものが出るなどの症状があります。
絨毛性がん
出産後、胎盤になる組織である絨毛が体内に残り、一部が悪性に変化、以降膨れた状態となったのが絨毛がんです。
特に、胞状奇胎(染色体異常によって水疱状が子宮を覆いつくしてしまう病気)を過去に発症した事がある女性がかかりやすいといわれています。
受精卵が子宮に着床した(妊娠)
閉経前であれば妊娠していることも考えられます。
次の生理予定日の1週間位前に少量の出血があった場合は、受精卵が子宮に着床した「着床出血」である可能性大。
更年期の不正出血を止める治療
女性ホルモン補充療法
不正出血の原因が、がんや炎症などの疾患症状でなく、女性ホルモンの減少なのであれば、ホルモンを補充する治療を受けることで、不正出血だけでなく、更年期症状全般を和らげることができます。
※がん患者には、がんの進行を促してしまうこと可能性があるので適していません
がん治療
子宮頸がん・子宮体がんなどのがん治療は、放射線治療や手術、抗がん剤治療などがあります。
いずれも年齢や進行具合によって、治療内容が異なりますので、医師や家族と話をして、最適な治療を選ぶ必要があるでしょう。
子宮・膣の炎症治療
萎縮性膣炎や細菌性腟症などは、ウイルスの種類や症状に応じて、膣を洗浄したり膿を取り除いたり、抗生物質や抗菌薬などで治療します。
更年期の不正出血を放置しないで!
不正出血の正体を自己判断するのはNGです。
不正出血がある以上は、いますぐ処置が必要な、重篤な病気である可能性も十分考えられます。
病気ともなれば早期発見が大切になるので、ぜひ早めに婦人科に行って、原因を明らかにしてください。